こんばんは、スズキです。

大人になり子どもを持つと、
新しい習慣が板につくことも、
苦手を克服することも、
なかなかありません。

“Brand new 自分”
ってな、トキメク瞬間に出会わないわけです。

それって歳と環境のせいだよな、って
なんとなく思ってました。

目の前で、どんどん「自分」を更新し、
みるみるアップデートしていく子ども達を横目に、
なーーーーんにも変わらない自分。
いや、それどころか、むしろ退化する自分。苦笑

体力だって落ちてるし、
傷の治りも遅いし、すぐ跡になるし、
日焼けは染みついていくばかりだし、
物覚えは悪くなっているし、
イマドキの音楽も、若手の芸能人もわからないし。

時折、珍しくヤル気を出したりしても、
子どもとの日々では
かつてのようなフットワークを持つことはできず、
一瞬思い描いたヤル気の理想が、
行動に移せることはあまりありません。

その結果、なんというか、
どうにも抗えない後退を
緩やかに(でも確実に)続けているような・・・、
そんな感覚になることがあります。

そして、その感覚について、
「仕方ないよな」と思う諦めのような気持ちも。

 

でも・・・・先日、
ふとその感覚をひっくり返すような気持ちに
なれたことがあったので、
今日はそれを書いてみようと思います。

 

以前にもコラムで書いたことがあったかもしれませんが、
私スズキ、兎にも角にも、お裁縫が苦手です。
手先が不器用なため
チマチマ細かく手を動かさねばならないことが苦痛で、
途中でちゃぶ台をひっくり返したくなります。

なので、これまでは、
外れたボタン付けすら自分ではやらず、
まして、ほつれた部分を繕うですとか、
延いては、幼稚園グッズの手作りも、
とにかく裁縫に関わる全てから、できうる限り逃れて、

実家の母(福岡)に送って頼むか、
急ぎの時は、近所の妹に頼むか、
それも難しい時は、
全て「なみ縫い」で(他の縫い方できない)、
めっちゃ時間をかけて必死にやるか・・・、
そんな感じでした。

「苦手」「やりたくない」ー
とにかく、その一心。笑

 

しかし、
2ヶ月ほど前、娘の習い事の絡みで
急遽ユニフォームを補正せねばならなくなり、
(難易度高め・量多め)
しかも、急なことだったため、
実家に送ってやり取りする時間もなく、
頼みの妹も夏休みの旅行中でおらず、
自分でやる以外にない、という状況が訪れました。

泣く泣く手をつけ、
3日間ほど夜な夜な取り組み。涙

そして、その3日目くらいの時に、
全てをなみ縫いで済ませるのに限界を感じた私。
もっといい方法がないものかと調べたら、
「まつり縫い」が簡単だと気付き、
まつり縫いも取り入れ。

そんなこんなで、
ようやくようやく、
そのユニフォームを使う日の朝、
滑り込みで完成!!!!

苦手ゆえ、ひと針ひと針、
(おそらく)必要以上に丁寧にやった甲斐もあったのか、
無事娘にもピッタリで、感激の朝となりました。

まあ、もちろん、
「二度とやるか!!!!」と思いましたが。笑

 

でもですね。

それからそう時を置かず、
息子の幼稚園のタオルの紐が外れてしまったのです。
いつもなら「その内、妹に付けてもらおう」と
お蔵入りになるところ。

しかし、ちょっと心に引っかかります。
「あのユニフォームに比べれば、一瞬では…」と。

それで、試しに縫ってみると、
「お・・!もう終わった・・・!」

またある日、娘の靴下のリボンが取れました。
試しに縫ってみると、
「あれ・・・、終わった!」

更には、
私の大判スカーフのタグが、
外側にヒラヒラするのが気になった時のこと。
まあ、別にそのままでもダメではないので、
以前なら「縫い付ける」なんて選択肢すら浮かばないところ。

でも、浮かんだわけです。
それで、ほんのちょびっとつまんで縫ってみたら、
あら一瞬!あら気持ちいい!

 

なーんだ、私、縫えるじゃん!!!
(ちょっとトキメキ)

タグをつまみ縫いするなんて、
もう、縫い物界の端の端にもかからないレベルですが、
それでも、必須でない縫いものに、
手をつけてみる気になれた自分が、
なんだか嬉しくて。

 

思えばこれまで、
「苦手」と決めつけて、
取り組もうともしなかった。

子ども達には、
「やればできるよ!」なーんて言いながら、

自分はもういい大人だし、
「やればできるかできないか充分わかっていて、
その上でやってない」つもりだった。

 

でも違った。

自分が「更新」されていかないのは、
歳や環境のせいも、もちろんあるけれど、
何よりのハードルは、
自分の決めつけと突っぱねだったかな・・・、と。

 

きっとどんなに歳を取ったとしても、
決めつけずに、一生懸命やってみれば、
外れる枠もある。

子どもとの暮らしでは確かに時間は作りにくいけれど、
一方、
自分のためにはなかなか頑張れないことが、
子どものためなら頑張れることもある。
その結果、見えてくる新しい世界もある。

そのことを教わった出来事でした。

 

相変わらず、
子どもに手作りの服やグッズを縫ってあげよう、という
気持ちにまでは全く至りませんが(笑)、
それでもいい ◎

物事を突っぱねない柔軟さを
少しだけ手に入れたかな…、なんて、
ほんのり自分を褒めたい気分になれただけで充分です。

子育ては自分育て。

こういう時に、ああそうだなあ、と
心に沁み入るスズキでした。

さ、明日からも頑張ろう。